売上・利益づくりの分かれ道

2016年01月15日

    独立開業を考えている方、経営の軌道修正を考えている方へ

    売上が下がれば売りにまわればいい、売れる新たな切り口を探せばいい、
    利益が下がれば、安いところを探して仕入れを下げればいい、
    お客様がいなくなれば違う人に売り込めばいい、
    またそのうち、注文がくるだろうとか、たまたま仕事の依頼があったりとか、
    そういうことで乗り越えていけることが少なくなりました。

    複雑な時代になったので、以前のように短絡的(物事の本質や筋道を深く考えずに、原因と結果などを性急に結びつけてしまうさま)では難しくなることが増えているように思えます。
    これから、経営をはじめる方、今までのやり方ではちょっとまずくなってきたという方に、参考になればと思い、智慧人さんに話してもらいました。

    【人それぞれ違う】

    短絡的な時代から複雑な時代に変わってきたことで、
    「売上・利益のつくり方」への取り組み方次第で、大きく結果が違ってきます。
    今までは、国がお金を出して、大企業から国内の小さなところへ順次お金がおりてきて、それを奪い合い、営業力のあるものはたくさんの売上をつくり、力のないものもそれなりの売上があってなんとかまかなってこられました。
    そのため、いち早く情報を手に入れることや、宣伝手法、営業テクニック、斬新な売り方、成功事例やノウハウが注目を浴びていました。
    時代や環境が変わったのに、宣伝や、売り方のノウハウやテクニックに力を注ぐことは徒労に終わることが多く、また社長はこうあるべきだとか、急に脚光を浴びる成功者をみて自分もああなりたいとか、多くのつくられたあるべき姿には注意しながら、誰かが仕掛けたものに乗ってしまい惑わされないようにしたいものです。
    大事なことは、自分の役割に気づいて、与えられた目的がわかってくると、周りに提供する価値が明確になり、それに賛同や必要とする人があらわれ、お役立ちができて、拡がり、自然と独自の市場が出来てきます。大企業はお客様を選べませんが、中小、小規模事業者は価値観の合うもの同士がお互い成長し合える関係が自然な商いのカタチになります。

    【二種類の取り組み方】

    開業や、会社を継続しているなかで、「売上をつくろう」となります。
    ここで、大きく二種類の進み方に分かれます。
    一つは、「売上を上げるにはどうすればいいのだろう?」
    もう一つは、「売上ってなんだろう?」
    という姿勢です。

    一つ目の「売上を上げるにはどうすればいいのだろう?」と考えだすと次のような行動につながります。

    売上は、客数×客単価だから、客数を上げるために集客に力を入れる
    集客にはお客様が欲しいモノを知るために調査やトレンドに敏感になる
    情報やノウハウを身につけるために日経新聞、ビジネス書はかかせなくなる
    得たものをアピールするためにプレゼンテーションの技術を身につける
    認知度を上げるために宣伝方法、販促方法を勉強して力を入れる
    マスコミに取り上げてもらうためにリリースを流す
    人脈をつくるために交流会に参加する
    顧客満足はお客さんに合わせることだと力を入れる
    売れないのは売り込む能力が低いからと営業力を強化する
    夢を叶えるために根拠の無い欲望予算を書き出す
    売上規模、社員数が多いことが成功だと考えて理想の社長像を描く
    チャンスを活かすために舞い込んだ話に勝負をかける
    お金儲けは相手を利用することだと思い、策を練る
    など、「売上を上げるためにはどうすればいいのだろう?」と問うと、短絡的に「こうすればいい」という答えを求めにいってしまい、今を見ずに先のことを埋めようとしてしまい、売上という未来の時点をいきなり作ろうと取り組みます。

    もう一つは、「売上ってなんだろう?」と考えだすと次のような行動につながります。

    売上は何で出来ているのが調べる
    売上、変動費、固定費、営業利益の目的と関係を調べる
    売上ありきでなく、利益が大事だとわかり今の固定費から必要な売上を出す
    粗利の設定をするために自分の価値について考える
    お客様は何にお金を支払うのか考える
    お客様はなぜ、自分にお金を支払うのか考える
    どんな価値を提供することで、喜んでもらえるのか考え書き出す
    自社の強みについて考え書き出す
    誰が理想のお客さんなのかを考え書き出す
    自社の一番商品について考え作り出す
    自分の価値は何なのかを整理して告知して反応をみる
    など、「売上ってなんだろう?」と問うと、売上をつくっている要素に興味を持ち、細分化しているうちにつながりが理解できはじめ、自分がこれまでやってきたこと、今やっていることが原因となって未来の売上がつくられることがわかるため、順を追って取り組むことで、独自の売上・利益のつくり方が出来ていきます。

    【経営することは、人を幸せにすること】

    経営理念に向かって、独自の組織、独自のお客さん、独自の売上・利益という独自化に進むことがこれからは非常に大事なことになります。
    それには、いままでの勘と経験だけに頼らず、根拠ある経営が必要となります。
    一番の根拠は、社長自身がどんな役割を持ち、何の目的を持っているか、つまり経営理念(目的・価値)になります。
    ものごとは、すべて、原因と結果のつながりで成り立っていますから、根拠があり、手順があります。

    「売上をつくろう」の取り組みでも実は手順がありました。

    『だから、いきなり売上を目指してもつくれません。』

    まずは、売上に関係する要素の目的と役割を確認します。
    売上は粗利を作るため
    粗利は固定費をまかなうため
    固定費は売上をつくるため

    そうなると、業績アップの手順がわかってきます。
    その一、変動費の削減をして粗利を増やす
    その二、固定費の削減をして効率的に売上がつくれる固定費にする
    その三、売上アップをおこなうから業績アップになる

    『だから、いきなり予算や、目的を達成しようとしても未来(数字や組織)はできない』

    まずは、私たちは時間軸のなかで進んでいることとその目的、役割を確認します。
    過去は現在をつくるため
    現在は未来をつくるため
    未来は目的を達成するため

    そうなると目的達成の手順がわかってきます。
    過去に与えられていることを知る(今の原因を知ることになります)
    今やっていることを把握する(今やっていることが未来の原因になっているので、把握することが大事になります)
    未来は今の結果なので、目的に近づくために今の改善準備をして未来をつくる

    『だから、いきなり結果(成果)を願っても起らない』

    独自の根源である経営理念(目的・価値)があるから、賛同する人、必要とする人と出会う
    経営理念があるから、マネジメントに取り掛かり、構造づくりが可能になる
    構造があるから、行動ができ、経営理念に向かっての業績(成果)が起る

    マネジメントの目的は、人を幸せにすること(ドラッカー)だから、
    マネジメントの要素である、
    マーケティング(売込み不要)への取り組み
    イノベーション(データベースを根拠に変化)への取り組み
    人材育成への取り組み
    生産性向上(顧客満足/効率化)への取り組み
    管理会計(未来の数字づくり)への取り組み
    黒字化(全員で粗利獲得)への取り組み
    をおこなうことで、すべてがつながりそれが原因となり、業績という結果をつくります。

    個人事業主さんや小規模事業所さんでも、これらの取り組みをすることで、社員さん、お客さん、仕入れ・外注さんと連携しやすくなり、お互いに成長しあっていきます。

    複雑な時代だからこそ、迷わないためにも、今をしっかりと把握し、手順を踏まえ、気づきながら、成長していくことが大切になります。

    自分の役割に気づき、目的をはっきりさせていく根源シートづくりから、現状を把握するバイブルシートづくり、業績アップの手順の算数教室・算数ドリル、未来の数字づくりの目標設定と進捗管理、マネジメントの取り組みをして、過去と現在から未来をつないで目的を達成していくのがシステム思考経営になります。

    大事なことは、正しく書き出すことだと思います。それは経営をつくっている要素項目のことで、書き出すと自分でも気づいてなかったことも明らかになり、原因と結果が見えてきて、改善すること、未来をつくるために次にやることがわかってきます。