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2021.07.17 ミーティング建設

『営業進捗表(先行管理表)』と『日額表』を使って先読み!女性管理事務職

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女性の管理事務職さんとWeb会をおこないました。
営業循環図のなかの現調から、現場管理までの間に使う、
『営業進捗表(先行管理表)』『工程表』、『日額表』
について学びました。
(下図のオレンジ色のところ)

地域密着で元気な建築屋さんの営業循環図

本日は、女性管理事務職さんの肝になる
『営業進捗表(先行管理表)』『工程表』『日額表』を見ていきましょう。

『日額表』について

前回のWeb会で、工程ボードの運用についてお話しました。
次の請求・入金チェック・仕入確認・原価入力の前に
日額表についてのお話をしていきます。
そもそも日額表ってなんやねんというとこなんですが、
●この工事、儲かったかどうか、いつわかるねん!?
検証して、反省して、改善する前に次がはじまってるやんか…。
みなさんの会社の、昨日一日の粗利いくらやったかわかりますか?
「建築業をはじめた30年前は、工事が終わって、翌々月にならないと、
いくら儲かったかがわかりませんでした。
「もっと早くにわからんのかなぁ…」と悩んでいました。
今月終わった仕事の請求書の〆が月末で、来月末にお支払いがきます、
終わった工事の利益は再来月までわからなかったんです。
たぶん、ほとんどの建築屋さんは今もそうだと思います。
これでは経営はやっていけない。
「もっと早くにわからんのかなぁ…」)
そこでCRC主宰は考えました。
うどん屋さんって、うどんが一杯売れて、いくら儲かるかわかっています。
一杯のうどんの値段と一杯のうどんにかかる原価が
一対一ってどういうことかというと
例えば一杯のうどん500円に含まれる、
うどん粉やネギ、洗い物に使う水の量から割り箸まで入って70円、
うどん打ちを外部に委託していれば、
外注費も含めた100円が原価(→損益図の変動費)だということです。
売上に対して1つ1つ原価(変動費)がある、うどん1杯の売上が立って、
それに伴う変動費(原価)がわかるとなんぼ儲かるかわかる。
だから、うどんを1日何杯売ると、なんぼ儲かるというのがわかります。
逆に言うと仕入・外注費がわからないと粗利がわからないということです

これを建築屋さんにおきかえてみたら。
便器や木材、キッチンや金物、こういったものが仕入れで、
塗装屋さんや外部の大工さん、クロス屋さんの外注費も含めて
変動費(原価)になるわけです。
この工事1件でなんぼ儲かるか?
さらに建築屋さんは工期がありますから、売上、粗利額を工期日数で割ったら
1日なんぼ儲かったか?がわかるわけです。
それがわかるから、1日1日検証して、反省できて改善していける。
忘れ物ひとつでも、現場が滞って工期が伸びたりして、
不足の材料を間に合わせで購入したりして
変動費(原価)増加につながると、粗利の日額が減ります。

●積み上げながら利益をつくる!
建築は仕事も利益も積み上げなんです
建築の現場では、地ならしをして、掘って、メッシュを入れ、
型枠で基礎を立ち上げ、鉄筋を入れていきます。その上に木材が乗っていきます。
この一つ一つ(基礎)がしっかりしていないと、
上に建っていくものが安定しません。
利益も同じで
営業時の見積予算・実行予算を正確につくるからなんぼで収まるかがわかる
この段階で利益がなんぼか?めどがつきます。
見積金額がいくら、粗利額がいくらか営業進捗表の右の見込に反映されています。
これが原価の基準になる大切なところです。
契約時
契約して請負金額が決まります、ここで契約時の利益がわかります。
契約時の利益は営業進捗表の今週契約のところに反映しています。
発注時
ここからが女性管理事務員さんの腕の見せ所です。
発注時点での実行予算の見直し
業者さんの日時が決まると着工日・完工日が決まるから工期日数が決まります。
売上、粗利を工期日数で割るから
1日当たりの売上額、1日当たりの粗利額がわかる。
これが日額表に正確に反映して、
1日の儲け、今月の食い扶持がまかなえているかわかります。
ここで、在庫の確認をして、業者さんと値段の折衝をしたり、
代理店さんに代替品がないか相談したり、
大工さんや業者さんと違う工法を考えたり、
会社全体で知恵を絞って利益を増やしていくということが
社内努力で利益を増やしていくということなんです。

●見えてくるから行動して、儲けにつながる!
日額表をみてみよう
日額表で見えてくるもの、こんなこと考えられないかな!?
契約して請負金額もきまり、実行予算も見直して、工期日数も決まりました。
これで日額表に落としていくことができます。
日額表に落としていくことで見えてくるものがたくさんあります。
どんなことでしょう?
・工程表の組みなおしはできないの?
現場が近いので、業者さんと相談して、2カ所の工事が1日で収まった。
1日で収まったことを工程表に正確に更新して反映するから、
正確で最新の日額表ができます。
工程表も日額表も常に正確で最新の情報でないと、
現時点のリアルな儲けがわかりません。
・日額表の空いている日に、
営業進捗表から工期の短い案件を入れられないか考えることができる
・工期の短縮に役立つ工法や工夫を考えたり、
常に在庫使用を意識した結果、実現できて、粗利日額がアップするのが見える
・日額と目標の差から工程に無理がないかわかる
・日額表の粗利計と全部の案件をみながら、月内完成した方がいい工事なのか?
来月に回した方がいい工事なのかがわかる。
・日額表の工期の進捗を常に更新することで、工事部の完工能力が把握できる
・工事別の粗利の違いがわかる。
「うちは独自の仕入れルートがあるから内装工事の粗利が高い」などがわかります。
・契約時→完工時を見比べることで、
「うちはトイレもお風呂も自社施工できるから水廻りが得意」など、
自社の特長や得意工事がわかるんです。
契約金額15万 実行予算10万粗利率33%の工事が結果、
請求金額15万完工原価9万5千円粗利率36% 粗利が3%も増えた 

●儲けるということは、個人のスキルが上がることなんです。
・細かいところまで見えるようになったり
・他の工法がわかってきたり
・工程を短縮する方法がわかってきたり…
・会社の動きが理解できたり
・社会の動きが見えてきたり
お客さんのことを想像することで、
細かいところ(お客様の何気ない言葉や、意外な欲求)に気づいたり、
何かできないかなと工夫をする事で、個人の基本的な能力が上がります。
このことがCRCのやっている 社員の成長=会社の成長 につながります。
業績アップ研修の
1の手 変動費削減・2の手 固定費削減・3の手 固定費を使って売り上げを得に行く、
の大きなポイントとして、決めた目標に向かって、自分一人ではなく、工務さんや業者さん、
代理店さんも巻き込んでチーム全体で目標を達成する。
そのために知恵を出し合い改善を続けること(日額表をシミュレーションすること)が、
社員さんの成長につながり業績が上がり、会社の成長につながるのです。

『営業進捗表(先行管理表)』と『日額表』使い方 先輩の管理事務職さんから

『営業進捗表(先行管理表)』で見込みが、
80~90%くらい決まるであろうという工事を
『日額表』に落としてみて、現状の業績はどうなっているのかと先読みをしております。
そうすることによって、通信の内容、キャンペーンの内容でなど、先取りして、
お客さまにお伝えできるということになります。
無理をして、今月は、目標を120、130%越えて利益を残すのではなくて、
目標数字をクリアしたならば、来月、再来月に回していく安定した経営をおこなうために、
『営業進捗表(先行管理表)』と『日額表』を使って先読みすることは、
とても大事なことになります。
これらのことをわかりながら、告知をしていきましょう。

営業進捗表(先行管理表)

今、画面には『営業進捗表(先行管理表)』が出ていますが、
みなさん、毎週見ていますか?
毎週の営業会議で使われている方は?
毎日、見て、チェックされている会社さんもおられるようですね。
『日額表』の前に、『営業進捗表(先行管理表)』がベースになります。

『営業進捗表(先行管理表)』の見方は、割愛させていただきますが、
みなさんの表と違うところは、お名前のところが黄色になっているところがあります。
『営業進捗表(先行管理表)』は、お問合せがあって、今動いている契約までの案件が、
いつ契約になるのか?を一件、一件の進捗を示している表ですので、
今週決まる、来週決まる、再来週に決まるというように、週ごとに営業担当者が動いている
リアルタイムで動いている予告表になります。
表のなかに、案件はあるけれども、決まらないかもしれない・・・
見積だけ出して、終わるかもしれないという案件もこのなかに入っています。
お客さまが相見積もりを何件かされているなかの1件かもしれない・・・
というのが、すべて入っています。
このなかから、
本当に決まるのかどうか!というのが知りたい。
80~90%決まるであろう案件のお名前のところを黄色にしています。
『営業進捗表(先行管理表)』は契約ベースですので、これを反映して、
『日額表』に見込みとして出すと、先読みができるのです。
『営業進捗表(先行管理表)』で確実の契約した案件に、
お名前が黄色の案件を加えるとかなり、先の数字が読めるということで、
『営業進捗表(先行管理表)』に色を付けています。
みなさん、営業会議のときに、『営業進捗表(先行管理表)』をみて、
ここに載っている案件は、すべて決まるのですか?と言えますでしょうか?
みなさん、できるようですね、パワーがあると思います。
この案件は、ほんとうに決まるかどうか、担当者さんに聞いてください。

営業進捗表(先行管理表)

画面の『営業進捗表(先行管理表)』をご覧ください。
今週決まる予定が、今週の欄に4件あります。
お一人目は、本日の午後から契約に伺います。
お二人目は、明日契約に伺います。
三人目の方は、明後日行きます。
というように、確実に決まっています。
お一人だけ、お名前に黄色を塗っていません。
なぜかというと、この方には、今週、〇か×を聞いてくるという案件になります。
決まる可能性が、△なので、黄色にしていません。
次週のお三人さまは、確実に決まるであろうと営業担当者に確認をしております。
表の下の方にいくと、黄色にしてありますが、金額が入っていない案件がありますが、
この方はOBさんなので、ほぼほぼ他社に浮気することなく、やっていただけるであろうと
いうことで、内装工事で100万円くらいの工事になろうかと思いますが、
見積が出来ていません。
このように、先読みをして、黄色を塗っていくと、営業担当者自身が、気が引き締まります。
みなさん女性管理事務職さんが、営業担当者さんに、一件、一件、決まるかどうかを
聞いてください。そうすれば、営業さんの意識が変わります。
それが、数字になっていくのかどうかの見通しにもなっていきますので、
ぜひ、一件、一件を大事にする意味でも、聞いていくと、
『営業進捗表(先行管理表)』が充実していきます。
これを踏まえて、『日額表』にいきたいと思います。
みなさん、営業会議で、『日額表』を使われていますか?
まだ使われていない会社さんと、
毎週の営業会議や、毎朝の朝礼で見られている会社さんがあるようですね。
私は、週に1回『日額表』を説明するのですが、工程ボードを数字化したものが、
『日額表』になります。
工程ボードには、数字が入っていませんが、工程と数字をそのまま、
『日額表』に落としています。
数字で把握するのは、工程ボードではできないので、
『日額表』で数字を具現化してみるようにしています。
『日額表』は、
売上が、いくらなのか?!
粗利益が、いくらかのか?!というのが、
リアルタイムでわかるものです。

日額表

画面の『日額表』をご覧ください。
下のほうに、色違いの案件がありますが、
これは、『見込日額表』から持ってきた工事です。
『営業進捗表(先行管理表)』の黄色に塗った工事を
見込み案件として、ここへ持ってきています。
つまり、上のほうにあるのは、契約後の案件。
下にある色違いのものは、見込みの案件。
両方で、合計を出していきます。

『日額表』の右側の上部をご覧ください。
今月の目標数字(売上、粗利)と、実績(売上、粗利)が載っています。
今日の時点で、どのような状態になっているのかが、数字になっています。
この表では、目標の粗利に対して、38万円足りないのが読み取れますので、
ここをどうやって埋めていくのかを数字のほうを意識しながら、
先をすすめていくというカタチで、日額表を使っています。
翌月、翌々月の『日額表』も出してみています。
まだまだ足らないので、予約をしっかりと取っていくように
営業担当者とすすめていくカタチをとっています。
リアルタイムの数字ということで『日額表』を使っています。

Q&A

Q:見込み日額とは、『日額表』に手入力されているのですか?
A:通常の契約した案件が出てくる『日額表』とは別に、契約前の『見込日額表』を
つくってもらって、使っています。

Q:『日額表』をみて、キャンペーンなどをおこなうとは、どういうことでしょうか?
A:来月、再来月の『日額表』をみて、目標よりかなり離れていると感じたときは、
そこへ向けてキャンペーンをしようとか、後半の部分に入れようとか、
数字を見ながら、当月だけでなく、来月、再来月の予定を立てます。
もし、来月の日額表が埋まっていれば、キャンペーンはおこないません。
この先の秋や、冬にキャンペーンをしようかと考えます。
『日額表』の数字によって、キャンペーンの種類と時期を検討する材料にしています。
キャンペーンの内容は、自社の得意な工事や、季節商品を入れたりします。

Q:(『日額表』を毎日見ている会社さんへ質問)何を確認されていますか?
A:工期が途中で変わったり、契約の金額が変わったりが多くて、記録として残しておらず、
変わったら、いくらに変わったというので使っています。
工期も終わりがいつになるかわからない、だいたいの日にちで入れているので、
正確な数字が見えているのかなぁと思いながら、使っているところはあります。

まとめ(見込み日額、日額、完工日額)

『日額表』は自分たちのこれからの活動が現れています。
たとえば、営業でたくさんのお仕事をいただいているのに、
なお、それにまして販売目的のセールスレターであったりとか、
お客さまからのお問合せを取るというのは、宿命なのですが、
取り過ぎてしまうことがないように。
自分たちと関わりのあるターゲットとしているお客さまから、
お仕事をいただいて、その輪を広げていくというのが、本分ですが、
重要が多すぎて、現場が回らないとか、これ以上やると工事の品質が落ちてしまうとか、
さまざまな弊害がでてきます。
そういったことを無くすために、自分たちの適量をしっかりと利益を残していけば、
次の施策、次の告知に打てるというのが、一番の目的だったのです。
リフォーム会社の場合、お客さまからの問い合わせがあって、ご提案して、決まって、
工事着工、工期も新築ではありませんので、1~2週間あれば終わってしまう。
といようなところを組み合わせてやっていかないと、会社は持たないというのが実情です。
水商売的なところがありますので、そこをしっかりと管理するために、
お客さまの管理、営業進捗の管理、現場の日額の管理があるのです。

それと最後に『完工日額表』というのがあります。
一つの現場で、それだけの仕入れがあって、どれだけの粗利益をつくり出せたのか。
『完工日額表』というのもつくってあります。
これは、仕入れ原価を入力しなければならないという手間が入ってきますが、
それを入力することで、『完工日額表』が出ます。
そうすると工務の実際の粗利益を生み出す力、もちろん管理事務職さんの力も
大きな力なのですが、実際に社員さんが現場に行って、働いて、現場を完成に導いて、
現場の粗利をつくり出す力が出てきます。
契約時から、完工時にかけて粗利が上がっていきます。
これが本来の力だとわかってきます。
内製化、自社施工、在庫管理、仕入れの工夫などをおこないながら、
完工粗利を高めていくために、『完工日額表』を使っております。
また、『完工日額表』を会計士さんに出すことで、
会計帳簿のほうへそのまま出すことができ、あとは経費明細、現金出納帳で、
充分に決算書ができるようになっています。
このように発展していけますので、どうか『日額表』のあり方を充分に理解して、
使い込んでいただければいいのかと思います。
何にしても『日額表』の本分として、自社は、一日、いくら儲かっているのか。
それが分かる表をしっかりと管理し、理解してもらえればと思います。

感想

『日額表』で今後の動きを決めていきたいと思いました。

『営業進捗表(先行管理表)』『日額表』も使っているのですが、
検証が出来ていない。もう少し使い方を工夫したり、
完工した後に実際どうだったのかの検証も出来たらいいなと思いました。

自社では『日額表』をあまり活用していなかったので、
今後は、会議などで使えるようにしたいと思いました。

←【前回】『工程ボード、日額表』の運用から粗利を増やす!女性管理事務職

 『原価入力』で次に出会うお客さんのシナリオづくり!女性管理事務職【次回】→

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