『契約、実行予算の組み直しから発注』粗利を増やす!女性管理事務職

2021年05月16日

    女性の管理事務職さんとWeb会をおこないました。
    営業循環図のなかの
    「受注契約、工事準備、発注」の部分を
    トイレ工事を例に学びました(下図のオレンジ線のところ)

    地域密着店の営業循環図

    お客さまからのご要望は、ステップアップのチャンス!

    みなさんの地域には、複数のリフォーム店さんがあります。
    そのなかでお客さまから、なんらかのご縁があってお声がかかり、
    お仕事につながっていきます。
    お客さまは、なぜ、自社を選んでくれているのでしょうか?
    また、何を買い求められているのでしょうか?
    あり方(経営理念)とやり方(業績UP)の両輪でやっている地域密着店の場合、
    お客さまは、そこで働く人たちの人柄、腕前、建築の知識などを
    買っていることになります。
    それを「付加価値(ふかかち)」と言います。
    建築屋としてやらなけれければならない仕事や、仕入れる商品に、
    加えて、人間性や、地域への恩返しの気持ち、
    その会社が持っている他の会社にはない良いところが、
    付け加えられた価値という意味です。
    だから、OBさんからのリピート工事があり、
    ご指名でのお仕事依頼が発生することになるわけです。
    また、付加価値を自分たちの実力を上げて、積み上げていく努力が求められます。
    積み上げるチャンスは、営業循環図のなかにあります。
    たとえば、お客さまから
    ・価格を安くしてほしい(予算)
    ・工事をいつごろに、何日くらいでしてほしい(工期)など
    ご要望があります。
    そのとき、お客さまのご要望を自分たちが、受け入れて満足しきれるかどうか。
    自分たちのスキル、腕前、実力が試されていると捉えてください。
    さまざまな条件に対して、
    お応えするだけの力が、会社に有るのか、無いのか?
    もし、今は無くとも、満足できるために、
    勉強、工夫して、お安く仕入れることが出来たり、
    工法を変えることが出来たり、
    新しいことを考え出し、発見出来たりして、
    実行予算をおさえられることになれば・・・
    それが社内で出来ていくと必ず自分たちの成長につながり、
    今までにない力が備わり、付加価値がステップアップします。
    このときに、社員さんなり、会社の成長になります。
    付加価値とは、工夫して努力した成果(実行予算、粗利確保)で積み上がり、
    お客さまはその成果である、付加価値を買い求められているということになります。
    お客さまからのご要望、条件が出てきたとき、
    ・「こんなの出来るわけないよぉ~嫌だぁ!」と思うのか、
    ・「実力がつくチャンスがきた!」と思うのか、
    どう捉えるのかが、これから先のわかれ目にになります。
    このように自分たち自身で、会社の付加価値を
    積み上げていくことが出来ると知っておいてください。

    女性の管理事務職さんが、粗利を確保できる機会がいっぱい!

    営業循環図でみると、受付から、営業段階を経て、受注契約までいくと、
    契約時点での売上がわかります。この売上は、お客さまが主導になります。
    どういう意味かというと、
    お客さまのご要望を受けて、プレゼンなり、図面なり、見積なりに作り上げて、
    再び、さまざまな要望が入ってきます。
    お客さまの要望を入れた仕様、形、色合い、価格で、契約書を結びます。
    そのときは、お客さまの要望を聞きいれる側になります。
    請負者というのは、それでやりましょう、と双方が納得して契約をするわけです。
    ここから先が、とても大事なところです。
    営業循環の損益図の真ん中に線があり、受注契約までの左側が、お客さま主導で、
    工事準備から右側が、自分たち主導になり、工事に入るまでの工事準備、発注の間で、
    粗利を増やし、適正粗利を確保するのが、管理事務職さんの役割になります。

    お客さま主導 と 自分たち主導

    見積時に実行予算を立てたときには、
    25%。30%なりの粗利益を見込んだ見積書を作成しているはずです。
    お客さまに提出して、仕様、価格、工期変更が加味された契約の見積書が出来上がります。
    いわば、お客さまの都合をのんだ。もしくはお客さまとお話をして妥協した見積書になります。
    ここから次に、実際に、この建物なり、品物づくりなりが、
    どれくらいかかるだろうと粗利を見込んだ実行予算を立て直すのが、管理事務職さんなのです。
    なかには、工務担当者さんが実行予算をつくりなおす会社もあるかと思いますが、
    100万、200万円のリフォーム工事だったら、女性管理事務職さんが立てたほうが良いです。
    ということは、会社の粗利益を握っているのは、女性管理事務職さんなのです。
    お客さんと取り決めた内容で、実行予算を立て直すのが、管理事務職さんの仕事。
    実行予算を立て直すということは、粗利益を確保するということなのです。
    ここは、めちゃくちゃ大事なところです。

    損益図を見てください。粗利益は、固定費と営業利益を含んだものでしたよね。
    ということは、しっかりと利益を残した実行予算を立てないといけないということです。
    そのために、どこに気を配らないといけないかというと、
    在庫が有るか、無いか? 以前に使った材料が残っているよとか、
    この材料をこの現場に使えるんじゃないかとか。
    みなさんのところに、工程ボードってありましたよね。
    工程ボードのなかで、無理のない工程が組めているかどうか、
    T住設さんのところであれば、自社施工が多いはずですから、
    自社施工がダブっていて、この日に行けるとか、そういったところまで、
    しっかりと把握しておかなければなりません。
    この現場は、この日に終わるから、次の現場は、この日から入れるというように、
    予定を組むことが、とても大事になってきます。
    ひょっとしたら、午前中は、この現場に行って、
    半日で終われるから、お昼からこっちも回れるよねとか。
    じゃ、外注さんとか、自社の作業員さんの手が無駄にならないとか、
    そういったことまで、管理事務員さんは把握できるはずなのです。
    把握できる状態にすることがとても大事になります。
    一つ一つの現場だけでなく、会社全体で、無駄なく動いて、粗利を確保するか?
    まして、本日(たとえば12日)で今月の粗利益がいくら確保できているのか?
    3日後の15日の時点でいくらの粗利益が確保できるのか?
    残り15日で、一ヶ月分の粗利をちゃんと確保することができるのか?
    そういったところまで、管理事務職さんはわかっているほうがいいのです。
    会社のなかで、これを誰かが管理しないとできないのです。
    会社全体の一ヶ月分の固定費とプラスそれに見合う営業利益を誰が管理するのか?
    契約できたから、
    現場の人に、契約出来ました。工程表作ってください。実行予算を立ててください。
    と伝えても、いつまでに終わりますというフィードバックがなかったとしたら、
    この現場は、いつからはじまって、いつに終わるのかが、わからないのです。
    そうすると、会社全体の15日現在の粗利益はいくらいですか?
    という問いが来た時に、答えきれないのです。
    あとどれだけ、お仕事を入れたらいいの?
    塗装工事という粗利20%で粗利が薄いけど、これが月内に終わったら、
    粗利益が確保できて、今月の目標達成ができます。
    そういった計算は誰がしますか?
    もし、とれた案件をそのまま現場にふって、
    現場の監督さんがやっているだけだったら、今、推移はどうなっているの?
    粗利益の推移は、15日時点では、どうなるの?
    ということが、わからなかったら、
    この仕事はとろう、この仕事は来月に回そうという判断がつきません。
    このような全体把握をしてほしいのが、管理事務職さんなのです。
    目標粗利益は、35%だけども、これは一括外注さんで、できる塗装工事があると、
    粗利率は20%になるけれど、会社で手をかけることはないので、
    この仕事はとろうと判断を下すとか、それを社長に進言するとか、
    そういったことが管理事務職さんのメインの仕事になってきます。
    会社の粗利をしっかりと確保する立場なのです。
    ということをよくわかってほしいと思います。

    もう一度、整理をすると、
    契約するまでは、お客さん主導ですが、
    契約した後、工期を決める、工法をお客さんの納得済で変更する、
    在庫管理をしっかりして、在庫を使う。
    こういったことは、粗利を管理するうえで、非常に大事なことで、
    また、社内でできることなのです。
    そこをしっかりとやっていただくのが、管理事務職さんの立場。
    適正利益の確保、契約したあとは、リーダーシップは、会社がとります。
    お客さんに工程表を提示して、自分たちの無駄のない工程を作って、
    こういう工程でお仕事を完成しますよ。
    こういう風な段取りでやっていきますよということは、
    今度は、リーダーシップは、会社に、自分たちに移ります。
    だから、しっかりと管理して、粗利もしっかりと適正を確保して、
    お仕事しましょう、その段取りをするのが、管理事務職さんということになります。

    工事準備

    業務で、一騎通貫と分業制があります。
    分業制では、営業担当者が、最後までいくのではなくて、
    契約担当者、発注担当者、現場担当者、それぞれ別々になります。
    どうして、その別々なことが、一つの現場でできるのかということですが、
    試行錯誤をなんども繰り返して、形が出来てきた3種類のファイルがあります。
    契約書までは営業担当者がつくり、
    その後、営業担当者が工事準備として3種類のファイルづくりを行います。
    1.工事部に渡すファイル
    決定しましたシート、件名と着工希望日、工事に関する事で口頭で伝えますが、
    文書でも伝えます。
    トイレ工事の例では、トイレのなかに収納棚があるが処分しては困るから再利用。
    この時間帯は、施主さんが留守ですよとか、注意事項を書いています。
    駐車場については、お隣さんから、駐車1台のスペースを使わせてもらえるなど。
    挨拶まわり5件は、ピンポン鳴らして挨拶してください。
    周辺20件は、ご迷惑をおかけしておりますと挨拶して回ってください。
    工務の引継ぎ表、工程表の有無、進捗連絡表。 
    問合せ受付表 最後まで動きます。
    工事の指示書として、金額を抜いた見積書。
    カタログのコピー、詳細図
    このファイルがあれば、わかるようにしています。
    2.発注者に渡すファイル
    決定しましたシート。
    挨拶周り依頼書を担当者へ渡すシート。
    最終決定した見積書、カタログ。
    これららの書類を受けて、発注の準備にとりかかります。
    主導権がこちらに移りますから、営業さんがとってきた粗利をいかに、
    増やすかが、腕の見せどころになります。
    3.営業が持つファイル
    発注者と同じものを持ちます。

    dav

    実行予算の組み直しから、発注

    見積ソフトで、主に見ていただきたいのが、発注先のところと粗利です。
    発注先の番号を入れるところがあります。
    発注先番号には、仕入れ、外注さん以外に、自社施工、在庫使用の番号を登録しています。
    在庫があった場合は、発注先を在庫使用番号にして、実行予算をゼロにします。
    すると、粗利額が上がり、粗利率が上がります。
    トイレの組付けを自社施工で行う場合は、発注先を自社施工にして、実行予算をゼロにします。
    すると、粗利額が上がり、粗利率が上がります。
    実行予算対比書を見ながら、粗利の確認をします。
    また、発注明細書一覧を出力し、粗利の計算をした合計と見積ソフトの粗利の合計と
    合っているかを確認して、発注漏れがないか、確認しています。
    自分で自信の持てる表を作ってから、動くようにしています。

    仕入れの発注ですが、
    営業担当者が発注すると、間違う場合があります。
    うちは、営業と発注者が別なので、品番の再確認をすることができます。
    見積に打ち込んだ品番と一文字違うとか、枝番が違うとか、たまにあります。
    すぐに発注するのではなくて、営業に戻って、この番号はどちらが正しいのか、
    確認することで、誤発注が防ぐことをができます。
    納品については、現場入れにするのか、自社に入れるのか、日にちはどうするのかを
    工程ボードを見ながら、自分で判断して、それでも不安なときは、確認をします。

    外注の発注ですが、
    工務との連携がありますので、契約が終わった後に、工程表をつくって、
    ホワイドボードのほうへ移します。
    それを見ながら、どこの外注さんにいつに入ってもらうかを判断して、
    発注書を書きます。
    外注さんへは、FAXで発注書を送りますが、実行予算の金額を記入するのと、
    電話1本入れています。
    「今からFAXしますとか、FAX送らせてもらいました」
    業者さんの声を聞くようにしています。
    発注書を送ることで、
    業者さんから請求書が来た時の突き合わせが楽になります。
    こちらが、発注した単価、金額で請求が来ているかどうかの突き合わせをおこないます。
    最終工事が終わった時の工事台帳、現場管理表というのがあるのですが、
    そこと連携がしやすくなります。
    最終的には、現場が終わって、お支払いが済んで、お客さんからの入金も済んで、
    はじめて、利益が計上できますから、突き合わせが楽になります。
    発注書を送っていなかったら、いったいいくらになるんだろうとずっと不安を抱えることになります。
    発注書を送っていると業者さんもその枠内で請求を出してくれます。
    先に予算が決まっていないと、外注さんも仕事の匙加減や、人員の配置であるとか、絵に描けない、
    お仕事にかかる前に、大体の工期、予算化をすることがとても大事なことだと思います。
    発注書の内容は、明細を記入していますが、
    業者さんから請求がくる場合は、〇〇邸一式というのが、多いと思います。
    それは構わないと思います。

    見積ソフトの枝番は、
    最新が、決定分、工事依頼分、実行分、請求書準備、請求書の流れがわかるように、
    枝番を増やしています。
    1項目、2項目の追加や、変更があっても、枝番をつくっています。
    営業担当が作成した見積は触らず、発注担当が編集したい場合は、枝番をつくります。
    そうすると、履歴がわかり、最新データが残りますので、
    習慣づけをしたほうが良いと思います。

    まとめ

    付加価値の話で、お客さんは何を買っているかというと、
    粗利益を買っていることを伝えました。
    契約するまでのお客さんからの課題、要望事項を受け止めて、
    なんとか努力することで、自分たちのスキルが上がっていきます。
    お客さんの要望に応えることは、自分たちの成長につながっていきます。
    ひいては、自分たちの付加価値を上げるというところにつながっていくと話しました。
    契約までは、お客さん主導ですが、契約以後は、適正な利益を確保するための
    自分たち主導でリーダーシップを取っていきましょう。
    契約から、工事準備、実行予算の組み直し、発注までの間に、
    管理事務職さんが、粗利益を増やす機会がたくさんあります。
    ここをやるか、やらないかで、大きく変わってきます。
    粗利益確保は、自分の仕事だという気持ちで、
    今のお仕事を頑張っていただけたらと思います。

    感想

    今は、小さい会社でエンドユーザさんも少ないですが、体制を整えていきたいと思いました。
    やりたいことがいっぱい出てきて、なかなか追いつかないのですが、がんばります。

    契約から発注に至るところで、粗利を増やしていくのが、腕の見せどころとお聞きして、
    すごく楽しそうで、事務所に居てもできることなので、私も取り組んでいけたらいいと思いました。

    普段は、工務さんが中心になって実行予算を組まれていますが、
    社内全体で、粗利を増やすことができるとわかりました。
    今日の内容を社内で話して、変えていけたらいいなと思いました。

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    『工程ボード、日額表』の運用から粗利を増やす!女性管理事務職→【次回】