事務所で出来る、粗利益を増やす仕事!概要篇 女性管理事務職

2021年10月15日

    今回から、営業循環図のなかでおこなう粗利益アップの話になります。
    女性管理事務職さんが、事務所のなかでおこなっていただきたい、
    見積実行予算の履歴データづくりを通した利益管理のやり方です。

    見積・実行予算の履歴

    利益アップのために、営業循環図の各業務でやることを見ていきます。
    お仕事の流れ(営業循環図)の各段階ごとに、見積・実行予算の履歴をつくることで、仕入れ、外注の変動費を削減し、粗利益を増やしていきます。
    得られた売上のなかで、自分たちの努力で、変動費の比率を下げて、粗利益の比率を増やしています。

    営業循環図

    Q:私たち女性管理事務職が、事務所のなかで利益を増やすことができますか?

    A:はい、利益を増やすことができます。
    営業循環図の業務の段階で、契約した後、見積・実行予算を組み直すことで、
    自前で、変動費を削減して、粗利益を増やすことができます。
    見積・実行予算を組み直すたびに、データの履歴を残すようにします。

    Q:具体的にはどうやるのですか?

    A:契約後工事にかかってから、工事に変更がない場合の例を説明します。

    ①提案見積段階
    お客さんにはじめて提案見積をつくるときに、必ず実行予算をセットで作成します。
    営業段階ですから、たたき台の案として品番・メーカーの異なる見積実行予算をつくります。
    (例えば、LIXILかTOTOの両方で2種類くらい)
    ※このときの原価、粗利額、粗利益率が、完工までの変動費削減の基準になりますから、
    ▶必ず作成して、枝番をつけて履歴を残します。

    ②契約時
    お客さんから値段交渉などを終え、この段階で売価が決まりますから、
    ▶決定売価に対する原価、粗利額、粗利益率を枝番をつけて履歴に残します。

    ③工事依頼時
    この段階から、自前で変動費を削減して、粗利益を増やすために、腕の見せどころになります。
    ※変動費削減は、値切るのではなく、自分たちで出来ることを見つけてやることで粗利を上げることです。
    ・契約時に決まった実行予算明細を細かくばらして見直す
     材工共になっているものを内製化できないか?
    ・在庫を確認して、在庫が使えないかな?
    ・工務さんに現場数量をもう一度確認してもらう
    ▶枝番をつけて履歴を残します。

    ④発注前時
    発注前に図面を見直したり、工程表を見直します。
    ▶枝番をつけて履歴を残します。

    ⑤完工請求時
    業者さんからの請求書が届いたら、きっちりと完工原価を入力します。
    外注さんの協力で工期短縮できた結果もしっかり記録。
    ▶枝番をつけて履歴を残します。

    枝番例:見積革命


    枝番例:アクセス見積請求

    Q:追加工事があった場合はどうするのですか?

    A:追加分の実行予算をつくります。
    追加工事を含む工事依頼時
    追加工事を工務さんに依頼する時は追加分の実行予算を組みます。
    ▶枝番をつけて履歴を残します。

    追加工事を含む発注前時
    追加分も現場へ行って実測し直したり、追加の工程表を見直して実行予算を作成します。
    ▶枝番をつけて履歴を残します。

    このように契約時以降、何か情報が更新されるたびに枝番をつけて見積実行予算を残していきます。
    そうすることであとから振返った時、履歴として残していくことで、
    いつどんなことがあったか、を知ることができます。
    工事に入ってからは、自分たちの利益を自分たちで作る段階です。
    どうやったら利益を確保できるか?を必死で考えるから自分たちのスキルが上がるし、
    それぞれの成長につながります。

    データの整理・残し方

    このように、見積実行予算の枝番はどんどん増えていくので、
    蓄積していくデータをあとから活用するためには、
    事前に「何をみたいか」、「どんな情報を知りたいか」を
    考えてデータを整理することが大切です。

    例:見積革命

    過去の見積情報を見に行ったり、顧客・工事情報を追加したりするとき、
    検索しやすいタイトル付けが大切です。
    自社に合った独自の方法でファイル・フォルダの管理をしてください。
    PT社事例として
    ①見積番号の後ろに枝番があります。これでいくつ目の見積かわかります。
    ②邸名があり、その後ろに工事箇所・工事内容・見積の段階
    という風に一つのタイトル中に情報を詰め込んでいます。

    例:アクセス見積請求

    これまで作成した見積・実行予算の
    現場名、名称、規格寸法、明細備考から、文字検索で工事案件を抽出します。

    見積実行予算履歴からのアフタフォロー

    OBさんの工事履歴を見直して、アフタフォローに役立てましょう。
    見積実行予算の履歴ってお医者さんのカルテと同じ?
    例えば、10年前の○○様邸のお風呂工事の見積実行予算からわかること
    ・○○様のお風呂は10年前に工事させてもらったんやな~
    ・LIXILのアライズZタイプで分電盤の品番はこれか~
    これ、まだ替えの部品あるかな…。先に問合せしておこう。
    ・エコキュートは耐用年数超えてるOBさんが多いな~。
    通信でお知らせしないとな~。これから寒くなるし。
    とかも想像できると思います。

    住宅設備や部品の設置年月日、耐用年数や保証期限が記録されていれば、
    お客さんが困る前に、困りそうなことをフォローすることもできる。
    先回りしてコトづくりをすることができます。

    お客さんが工事の内容を覚えていなくても、こちらはいろんなデータで把握できている。
    こんなお医者さんのカルテや看護師さんの申し送りと同じ、
    情報の共有がお客さんの安心につながります。

    見積・実行予算づくりは、大変?!

    Q:こんなに、見積実行予算を作るのは正直大変だと思うのですが・・・

    A:何度も見積実行予算の見直し・組直しをすることで
    ・細かいところまで見えるようになったり…。
    ・工程を短縮する方法がわかってきたり…。
    ・自分たちの強みがわかってきたり…。
    実行予算の見直し・組み直しは、
    変動費の削減になり、粗利益を増やすことになります。
    粗利益目標を達成するためは、スキルを上げる必要があります。
    つまり、
    さんすう教室で習う、損益の図から、
    スキルが上がる、人が成長する、粗利益が増える、
    固定費を削減(改善)する、営業利益が増えることがわかります。
    営業利益は、
    ・成長の証 ・ご褒美 ・会社存続の源泉でした。
    みんなで、いい会社にしていきましょう。

    枝番をつけるようにして、良かった

    T工房 T社長さん
    CRCに参加する前は、ほぼほぼ一式で見積を出していました。
    見積書に枝番をつけることもなく、契約後に作り替えることもなく、
    営業時の見積、契約時の見積ともに一式。
    請求時に一式の見積を出すような形でした。
    業者さんからの見積に明細がついていたとしても、
    一式でつくる場合もあったので、
    似たような工事が来たとしても、すべて一から見積を作成しているような状態でした。
    業者さんから届く請求書で金額が変わっていても、気づいていない。
    だいぶどんぶり勘定でやっていたので、工事が終わってお客さんからご入金いただいて、
    業者さんから請求書が届いて、払った、お金が無くなっていくという状況だったんですけど、
    細かい明細を入力するようになってから、必然と実行予算もつくるようになっていますし、
    類似した工事があったときの見積書の作成は、かかる時間は減っていきました。
    お客さんへも作業中に項目が減った、増えたという説明もやりやすいので、
    明細をみて、お客さんからも「この会社は信頼ができるところやなぁ」と
    嬉しいお言葉をいただけることがあります。

    T工房さん アクセス見積請求の画面

    CRC主宰からアドバイス

    本日から、女性管理事務職さんの利益管理の実践篇にはいっていきます。
    基本となるのが、実行予算をつくること。
    お客さんに提出する見積が実行予算がセットになっていることが一番の肝になってきます。
    最終的には経営指標までいきたいので、最終の原価入力がきっちりと出来ていないといけません。
    最後の最後、一つの工事が終わったときに、原価入力が終わってはじめて、粗利の確保になります。
    そのために、業者さんから請求書が来たときに、その請求明細と見積明細が出来るだけ合うように、
    していかないといけないので、変更があったときとか、枝番をつけて、明細を増やしておくことが、
    必要になってきます。

    見積に載っていない請求明細が来たりとかが、極力無いようにしておくことが、
    大事なことになってきます。
    工事を完成に導くまでの間に、粗利の範囲がどう変わっているのかということを
    把握しているのは、女性管理事務職さんになってきます。
    今回からは、一つずつ、段階段階によって、もう一度おさらいを兼ねて、
    それぞれのつくり方をやっていきたいと思います。

    電気屋さん、給排水水道屋さん、塗装屋さん、という専門業種さんから、見積をもらいます。
    受け取った見積をいったんその単価を入力して売価に変える。
    そういうやり方をして一つのデータを作っていかないといけない。
    そうすると、コンセントが一ついくらかかるのかがわかるし、
    その見積書でお客さんと契約した場合には、コンセント一つがこれくらいで請求がくるというのが、わかると思います。
    あとは掛ける個数でいいわけですから。
    そのへんの細かい単価をだんだん把握していけるようになってくると思います。
    今は、ひょっとしたら、何々邸電気工事一式ということで、終わってしまっているかも知れませんが、
    それだと、例えば電材が上がってきたとか、施工費が一ヶ所500円ずつ上がってきたとか、
    値上げ、材料が上がってきているときに、一式で書いていると、
    何が上がって、金額が増えたのか、まったくわからなくなります。
    時間がかかると思いますが、一つずつを自分たちの根拠としてわかっていくことが、大事なことだと思います。
    最初の見積を作るときに電気工事一式いくらではなくて、
    明細はこうなって、電気工事がいくらになっているというところから作り込んでいくと、わかってくると思います。
    最初つくる見積が業者さんからくる見積明細と合っている状態をつくっていくほうが大事だと思います。
    急にはできないと思いますが、一業種ずつはじめていくとか、していくのが大事なことだと思います。
    それをやっていくと事務所に居てても、図面と業者さんが持ってくる見積書を
    照らし合わせながら、ここがこういう風になっているから、個数はこうなんだとか、
    ここのアンテナがあるから、アンテナ一ヶ所になっているんだとか、
    例えばアース付きの専用回路が2箇所だから、こうなるんだとかがだんだん見えてきます。
    だけど、一式でやっていると工事がはじまった、工事が終わった、請求書が来た、
    ただ、それだけなので、建設工事の細かいところがわからずにずっと終わってしまう。
    それはせっかく管理業務というところにいるんだから、少しずつわかっていこうよ、
    というのが、大事なところだと思います。

    なぜ、原価を入れていくかということは、
    一つの工事が、最終的に原価を入れることで、終わるわけです。
    入れた原価のデータが、
    類似する工事の見積書に素早く変わっていくということです。
    工事の種類によって、コンセントが20箇所必要な工事が、
    今回は、5か所でいい。20を5にすれば見積書が素早くできる。
    そういうデータは非常に大事なデータになります。
    今までやってきた足跡、根拠を残し始めていかないと、
    何も変わってきません。

    最初の提案見積なんですけど、その時点でしっかりと実行予算付きの見積を出さないと、
    基準になる粗利のパーセントができないことになります。
    そのために、一式見積を止めていくことが大事なことです。

    建築というのは、一つの工事がはじまって、営業段階から、見積をつくって、成約して、
    工事の準備をしたり、着工になるまで、一ヶ月、二ヶ月かかる場合もありますし、
    また、3つ4つの仕事が同時に進行していくんですよね。
    一つはもうそろそろ今月で終わると、一つはこれから初回の見積を出さないといけないということで、
    一つが終わる前に、次がはじまっている状態がほとんどなのです。
    現場ではクレームを起こすわけにはいきませんから、工期、工程表に準じて進んでいきますので、
    どうしても工事がオーバーラップしていく。
    一つの工事が終わって、ホッとする間もなく、次の工事がはじまっていると。
    終わった工事の原価明細がしっかりと出ているのか、
    次の新しい工事のためのデータが蓄積できたのかということが、
    なかなかできないのが現状だと思います。
    ところがどこかで、それをやっておかないと、会社のなかで、癖をつけておかないと、
    ぜんぜん改善できません。
    毎回毎回、バタバタ追われて、ほんとうにこの単価が合っているの?
    ほんとうにこの仕入れ価格が正当なの?
    そういったことが検証、反省できないまま、自転車操業みたいになってしまう状況がほとんどだと思うので、
    誰かが、一つ一つの現場の粗利をしっかりと確実に把握してほしい。
    それは管理事務職さんになるということなのです。
    ここが大事なところなので惑わされずに、会社の食いぶちは自分たちがつくるという気概、
    やりがいを持ってやっていただくとありがたいと思います。
    これから一つ一つ、次回は受注が決まったとき、工事準備にかかったとき、細かくやっていきます。

    感想

    ・これまで産休でしたが、また頑張らせてもらいたいと思いますのでよろしくお願いいたします

    ・事務職メインでやっていたんですけど、最近はお客さんのところへ出ていくようになって、今まではとりあえず、数字を打ち込むことをやっていたんですけど、
    意識しながら、打ち込むようになって、憶えが良くなったような気がするので、
    お客さんに聞かれたときに、すぐに答えられるように今後していきたいと思っています。

    ・見積を入力していたのですが、ただ数字を入れているだけで、
    現場と合わせてみると自分がずっと入れていたのに、気が付かなかったことがあって、いかに意識をしていなかったら、頭に残っていないことがあったので、
    これからちょっとずつ、数字のほう、現場のほうを見ていければいいなと思います。

    ・はじめて参加させていただいて、女性の方がこのようにがんばっておられるのをみて、 凄いなぁと思いました。一緒に頑張っていけるようになりたなぁとも思いました。

    ・男性は数字の入力とか、かなりあいまいにスルーしていくところがあるので、
    お客さんとのコミュニケーションであったり、このような数字の入力は、女性の方が、男性よりうまいなぁと思いました。

    参加されているみなさんは、自分がやろうという意識が出てらっしゃるので、
    今回から2巡目ということで、会社のなかを仕切るんじゃないかという次の段階が来るんじゃないかと 楽しみに横で聞いていて思いました。

    見積請求機能 追加のお知らせ

    CRC(進化し続けるリフォームの会)のシステム(マイクロソフトアクセス)に、見積請求機能を追加することが可能になりました。
    これにより、受付から業者さんからの請求金額の入力まで、一つのシステムで管理することができるようになりました。

    1層パターン※枝番機能追加可能
    3層パターン

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