地域密着工務店の社長さんがおこなう仕事

2022年01月23日

    みなさま、おつかれさまです。
    先日の経営指標の会での「経営指標について」を書きましたので、振り返りにご利用ください。

    経営指標の数字が出来上がるまで

    経営者、次期経営者、幹部のみなさんには、経営指標の読み方、分析の仕方を学び、
    数字を根拠に打ち手、施策を計画し、実践していただきたいと思います。

    経営指標が出来上がるまでの流れですが、

    ①案件の受付をおこなうことから、
     「1.月別案件発生 発生源別」の表になります

    ②受失注が決まることから、
    「2.月別 全体・OB様・新規様 受注率」の表になります。

    ③契約が決まることから、
    「3.月別 契約件数 契約金額・粗利 目標と実績」
    「4.月別 OB様・新規様 契約件数 契約金額・粗利・平均単価」
    「7.月別 規模別 件数・契約金額・粗利益」の表になります。

    ④完工することから、
    「5.月別 完工件数 完工高・粗利 目標と実績」
    「6.月別 OB様・新規様 完工件数 完工高・粗利・平均単価」
    「8.月別 規模別 件数・完工高・粗利益」の表になります。

    受付時、契約時、完工時と段階ごとに、売上金額、原価を入力し、
    完工原価の入力までをおこなうことで、
    動いた数字から、営業進捗表、日額表、そして、経営指標が出来上がります。

    経営指標を良くしていくために、
    業績(利益)アップ研修で、3つの目標、実績を記録されています。
    ・契約時の粗利益目標と実績
    ・変動費削減の目標と実績
    ・固定費削減の目標と実績

    この目標数字への行動が、経営指標に反映されています。

    図をご覧ください。

    変動費削減の実績が、契約時と完工時の粗利益の伸びに反映されます。
    契約時の粗利益は30でしたが、変動費削減の実績が3になったので、
    完工時の粗利益は30から33まで伸びました。
    また、固定費削減の実績が3になったので、
    決算時の営業利益は2から5まで伸びました。
    この例では、契約時の営業利益が-1だったのが、完工時には2、決算時には5になりました。
    営業利益率が5%になり、地域密着工務店の優良企業になりました。

    このシステムは、受付から完工までの削減の創意工夫、努力の成果が、
    数字として表示される仕組みになっています。
    それが、社員さんたちの成長となります。
    だから、人の成長を通じた利益づくり、会社の成長を実現していきます。

    粋成会から生まれた経営指標

    10年ほど前に、粋成会という地域密着工務店の4社が集まり勉強会をおこなっていました。
    はじめは各社それぞれの経営指標を持ち寄っていましたが、
    3年くらい経ったときに、書式を統一して4社が照らし合わせていけば、
    どういう特長があり、どういう強みを持っているか、地域性までわかるようになるのではないか?
    ということで、2年間くらいかけて、生まれてきたのが元々根本になっている帳票なのです。
    ただその帳票には完工原価が入っていませんでした。
    完工原価が入ることで、ほんとうの粗利益がわかり、真実味が増した数字になり、
    工事ごとの工事管理表が出て、自社の強み、改善点などの発見につながります。
    また、完成原価が入るということは、あとは、ここへ固定費、総勘定元帳がはいると、
    決算書がすぐに組める。しかも、翌月、その当月には、末締めの翌月末支払いならば、
    請求書の到着して、15日くらいには、決算書が組める状態になります。
    これはとても素晴らしいことであり、月次決算ができる状態になってきているので、
    この帳票をしっかりと使いこなしてくれると、今、会社は、どんな状況だというのが絶対にわかるんです。
    経営指標を見るから、どこが悪いから、ダメなのかがわかる状態になります。
    お客さんの状況、仕入れ先の状況、世代の状況など時々刻々と変化して影響を及ぼし合います。
    だからこそ、細部を注意深く観察し、進んでいくことが必要なのです。
    我が社の場合は昨年のデータがきっちと出ました。
    おととしの4月から昨年いっぱいの数字がきれいに出てきましたので、
    施策をこう打ったら、こうなったというのが全部わかるようになったんでね、非常にありがたい話です。
    みなさんも月次決算ができるシステムを持っているという強みを、しっかりと活かして、
    今後の動き方に反映してもらえれ良いと思っています。
    これは本当に宝だと思うので、しっかりとやっていきたいなと思います。

    仲間へのアドバイスに根拠

    私たちのシステムは、受付段階、契約段階でリアルに、件数がいくらで、
    どれくらいの工事をいつ契約して、5週先、その先も含めて営業進捗表で見ることができ、
    日額表では、一日当たりの粗利益、ひと月あたりの粗利益がわかります。
    私が地域密着工務店の手本となるべく30年以上、試行錯誤をやってきた結晶なのです。
    建築にとって素晴らしい表になっていると思います。
    なかなか先が読めない時代になってきています。
    経営指標のコメントには、出てきた数字を読み取り、分析し、施策の検討まで記入ください。
    数字が上がった、下がったとかだけでなく、対策の施策を持ってきて仲間に問うてほしいのです。
    だからこそ、日々の活動を入力して出た表をみんなで持ち寄り、読み合うことで、
    CRCの他社と自社の違いはどういう風な違いがあるのか?
    それはなぜそういう風になっているのか?
    各社の違い、地域の違い、各社の持っている特質の違いといったものが、全部出てきます。
    ここでやろうとしているのは、その違いをみんなでしっかりと、
    「ああ、そうやね。そういうことが言えるよね」
    例えば、E工務店さんのところなんかだと、大工さんの内製化がものすごく強い。
    材料も自社でなんとかしているよね。それがこの部分にでているよね。
    ということが読み取れるんですよね。
    だったら、もう少しここを特質化してもっと広くしたほうがいいんじゃないかとか、
    ここはやめてやめておいたほうがいいじゃないかとか、
    そういったことが、ドンドン湧いてくるんです。
    ここまでの数字を出せる団体、組織はないと思います。
    このなかの1点でもいいですよね。
    受付案件は、いくらあるの?
    新規とOBの割合はどのようになっているの?
    年間どれくらいの完成工事高ができるの?
    とかいうようなことをちょこちょこっと、聞くだけで、
    だいたい、その会社の業態、強み、そういったものがイメージできる力がついていきます。
    経営者というのは、そういった力を持っていないとこれから先、どうもこうもならんと思います。
    みなさんの会社の社員さんが、成長し、力を発揮していける会社の状態をつくっていくのは、
    非常に大事なところなので、しっかり勉強してやっていただけたらなぁと思います。

    経営指標からの施策例

    経営指標からどのような打ち手(施策)が出てくるのでしょうか。
    例を紹介します。

    契約時
    OB様→粗利益率:今年(31.0%)前年(27.8%) 平均単価:今年(173,667円)前年(306,868円)
    新規様→粗利益率:今年(28.8%)前年(33.1%) 平均単価:今年(283,174円)前年591,434円)
    コメント
    OB様の契約数の伸びが121%まで伸びた素晴らしい実績だ、粗利率も31%まで伸ばしてくれている。
    しかしOB様、新規様共に平均単価が約半分になっていることから小口化に対しての対策を立てなければならない。

    完工時
    OB様→粗利益率:今年(38.6%)前年(30.6%) 平均単価:今年(173,054円)前年(323,920円)
    新規様→粗利益率:今年(32.4%)前年(42.1%) 平均単価:今年(278,990円)前年663,130円)
    コメント
    工事の縮小化に良く対応してOB様、新規様共に粗利率を確保してくれている。
    特にOB様、の粗利率38.6%はお客様満足度と比例して高い水準を確保しており改めてOB様、向けの施策を企画検討していきたい。

    Q.どのような施策を企画検討されていますか?

    A.小口化で平均単価、売上が半減した場合の対策を考えるとき、
    売上=お客さんの数×売上単価であり、粗利益=お客さんの数×粗利単価になります。
    お客さんの数を増やしにいくのか?売上単価、粗利を増やしにいくのか?
    お客さんの数を増やすならば、ターゲットエリアを広げる施策になります。
    我が社は、粗利益を増やす施策を選択しました。
    そのために、大工さんをしっかりアピールしようと考えています。
    契約粗利益の3%を上げよう、その流れで完工粗利益を上げることを計画しています。
    社員さんには、まごころ工事も本工事もすべて契約粗利を3ポイント上げることを伝えています。
    それを確実にやっていけば、営業黒字化になります。
    もうちょっと自分たちが努力できること、15年やってきたからこそできることをやろうよと。
    粗利益は自分たちの努力でできることだから、粗利益率を3%上げることを目標数字に反映させました。
    昨年の数字を見せて、今年は、何をやるか、どうしたらやれるか。
    まごころ工事で見積をつくるとき、小さな工事10万円のちょっと工事でも、3%をのせられないか。
    3%の価値をのせるにはどうしたらいいかを考えようという一点に絞っています。
    そうすると今年並みの案件数をおこなえば、大丈夫なことがわかります。
    また、この地域では、高齢化、終の棲家の需要が見込まれることから、
    お客さまが移り住むのも一つの方法ですが、
    社内には、専従の大工、整理収納アドバイザー、宅建主任者がおりますので、
    コト売りでは「2階から1階で暮らしませんか」という大工さん、主婦目線のプランナーの仕事をアピールし、
    OBさんの暮らしに寄り添うストーリーをつくっていきます。

    社内の業績づくりの役割

    会社を良くしていくために、それぞれの役割をこなすことが大事になります。
    ①経営指標を読み取り、進む方向を決める役割(経営者)
    ②粗利益をつくる役割(営業、工務の社員さん)
    ③粗利益を管理し、情報を社長へ上げる役割(管理事務職の社員さん)

    業績(利益)アップ研修の位置づけ

    この研修では、粗利益(自分たちの食いぶち)を稼ぐことに専念してもらう。
    もし粗利益が足らなかったら、変動費の削減を一生懸命やった分が、
    さんすう教室損益図の粗利益のなかに入ってくる話ができますし、
    経営指標の完工時の粗利益に出てくる話ができます。
    固定費の削減から営業利益を増やすことは経営者が知っておいてください
    また、稼ぎ方の知恵やノウハウとかは、
    社員さんたちがもっとこうしたほうがいいじゃないかとか、
    いろんなことを考えはじめてから教えてあげたほうが良いと思います。

    女性管理事務員さん研修

    地域密着工務店のなかで、このポジションは非常に大事になってきます。
    「今の粗利益の進捗管理をだれがやるのか?!」ということです。
    社長さんがやればそれでいいわけですが、
    社長は、社長なりにさまざま業務をもっていますので、
    毎月の10日、15日、20日で、今現在の粗利益の獲得率は、これだけですよと。
    後これだけ足りませんよというアナウンスが、誰かが専従でいると思います。
    事務所を守りつつ、電話対応をしつつ、顧客対応をしつつ、来賓の対応をしつつ、
    粗利益の進捗管理をしてくれる人。このような人がどうしても必要です。

    いつも話ているように、1対1で一つの見積に対して、一つの原価、
    それで、一つの粗利益が出てくるわけですけど、
    その積み重ねの進捗がどこにあるのか?
    それをしっかりとだれが管理するのか?!というところ。
    を任せられる女性を育てることが、非常に大事だと思います。
    それができれば、今は売るときだ!とか、今はしっかりと粗利益を稼がないとダメだ!
    社長のもとへしっかりと情報が届いて、社長が号令をかけれる状態になります。

    勉強する目的

    なぜ、このような勉強をしているのかと言えば、
    私たちのように地域に根をおろして頑張っている工務店が、
    しっかりと健全で安定した経営をしていかないと、
    日本の伝統的な大工職という職種がなくなってしまう。
    ひょっとしたら、5年先は、ないんじゃないかと思うくらい
    不安でしょうがないんですけど。
    まだまだ私たちがしっかりと、安定した経営をしておけば、
    またそういう人材も生まれてくるのかなぁと思いますので、
    なんとしてもここは、CRCの根本として、私たちが安定した黒字経営を続けると、
    いうために勉強を続けていきたいと思いますので、
    どうかご承知おきいただきますようお願いします。