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2023.07.12 建設

Access共有会#11 / 2023.07

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システム(Access)を、現場で日々活用していただいているみなさま、ありがとうございます。Access共有会の内容を書き起こさせていただきましたので、各社さま振り返りにご活用ください。

※Access共有会(建設)は、CRC(クリエイティブリフォームサークル)の協力の元開発させていただいた工事管理システムを活用いただいている会社さまで、毎月1回zoomで集まって、社内の活用方法や工夫、独自の管理方法、などを共有しています。また、この場でちえじんからも、操作方法をはじめ、データベースの活用方法についてもお伝えさせていただいています。

今回からは、お仕事の流れ(営業循環図)のなかで、気になっているところ、バタバタしているところなどをみんなで話し合いながら、その部分の作業の流れと、関わっている“構成要素”を明らかにしていきたいと思います。現状を“数値化”し、“望ましい”状態の“数字”を目標として決め、改善したい“構成要素”に働きかけて、成果を“数字”で表していければ利益づくりに役立ちます。みなさんが、“数字”という根拠をもとに、業務の改善をおこない利益づくりに役立ててもらえればと思います。

今回参加者さま:D工務店 T己さん、W工務店 W尾K奈さん、I工房 I江さん、ちえじん 計5名

トピックス(こんなこと、あんなこと)

Q.業者さんのデータが重複している場合は?(T己さん)

A. T己さんのところに入っているシステムでは、業者番号は、マスタの業者テーブルにある業者番号が、見積明細テーブル、見積明細BUテーブル、に溜まっています。重複している業者番号をどれか、一つにまとめていただき、教えてもらえれば、こちらで、修正整理の作業をさせていただきます。

Q.追加があった場合、同じ工事番号に追加するか、別の工事番号を取るのかどうされていますか? (W尾K奈さん)

A. 追加で工事番号を新しくとるか、追加工事として再見積もりをする場合もあります。履歴工事でそれに伴う工事であれば、その工事番号で再見積もりをしています。電気工事をやっていて、「トイレもやってほしいねん」と言われたら、新しく工事番号を発行しています。(T己さん)

A. ちょっとした金額ならもともと金額を変えています。別の場所とか工期が離れる場合は、新たな物件として登録しています。(I江さん)

Q. 失注した案件を復活させるのに受失注をyesに戻しても表示されない(I江さん)

A. I工房さまのシステムでは、受失注のデフォルトを「-(ハイフォン)」に設定しておりますので、受失注Noから、「-(ハイフォン)」にしていただけますようお願いします。

豆知識

経営指標昨対 7表(月別 規模別 件数・契約金額・粗利益)

①関係するフィールド
工事番号、契約☑(yes)、契約日、契約金額、契約実行予算、工事分類番号 

②データの精査方法(経営指標昨対 7表)
エクセルフォームで 年・月 を選択(確認したいデータの年月)
>左側のナビゲーションウィンドウから、「クエリ」を選択
>経営指標昨対7クエリをWクリック
>経営指標昨対7表に表示されているデータの一覧が表示
>年 の右横の▼をクリックして、年度を抽出

③年計からわかること

・規模別の平均がわかる
工事分類(規模別)の売上平均、粗利平均がわかります。たとえば、工事分類番号3.リフォーム11~100万円のなかで、自社の売上平均、粗利平均が表示されています。自社のボリュームゾーンがわかりますし、粗利率を見比べながら、強みのゾーンを知ることができます。また、過去3年間のデータと見比べると、売上平均、粗利平均の傾向を見ることができます。

・規模別の比率から法則が見いだせるかも
過去3年間くらいの規模別比率から法則を予測することができる。たとえば、1.修理+2.修繕と3.リフォーム11~100万円の比率が過去3年間同じような比率ならば、1.修理+2.修繕の案件数を増やすことで、3.リフォーム11~100万円の案件数が増えるかもしれないという仮説を立てることができる。自社の数字を複数年見ることで、なんらか法則性、規則性を見つけることができるかもしれませんのでデータベースを活用ください。

④おかしいとき“あるある”

・契約金額が変わったとき
→当初の分類番号と異なる契約金額に変わったときは、分類番号も変更お願いします。

契約後に追加工事で、工事分類番号が変わる場合は、新しい工事番号を発行してもらったほうがいいかもしれません。

工事分類番号と内容
工事分類番号1: 修理3万円未満
工事分類番号2: 修繕3~10万円
工事分類番号3: リフォーム11~100万円
工事分類番号4: リフォーム101万円~400万円
工事分類番号5: 大規模401万円~
工事分類番号6: サービス工事※会社さまによっては、工事分類番号6: サービス工事を設けていない場合があります。

Q. 経営指標昨対7表の説明、T己さんいけますか?

A.なんとなくいけます(笑)。聞いていてめちゃめちゃ面白かったので、一回見てみようと思いました。(T己さん)

Q. 経営指標昨対7表で見られているところは?

A.基本的には粗利率を見ていて、修理修繕が粗利率が高かったりするんですよ、小さな工事なので、小さい工事はしっかりと利益があるなぁとか。

Q. 経営指標昨対7表の説明、W尾K奈さんさんいけますか?

A.大丈夫です。(W尾K奈さん)

Q. 経営指標昨対7表で見られているところは?

A.7期の目標をつくるときに社内みんなでみていたんですけど、やはり工事が大きくなればなるほどどうしても粗利率が低くなるので、その分小さい工事で粗利率をしっかりとっておかないと、最終的に目指している粗利率に到達しないなぁという話をしていて、そこを意識して見積を作ったりしています。

Q. 経営指標昨対7表の説明、I江さんさんいけますか?

A.だいたいわかったと思います。(I江さん)

Q. 経営指標昨対7表で見られているところは?

大規模になると粗利が低くなることと、ご新規さまが大規模が多いので、OBさんのほうが粗利が高いなぁとか、3: リフォーム11~100万円でお風呂の工事とか、水道屋さんに大工工事も発注して頼んでいるので、2つの業者さんに頼むよりも1つの業者さんでまとめてやってもらうほうが発注金額が安くて済むのでそこのところが、利益が高いなぁという感じです。

データを活かそう!

この一ヶ月で”うちの気になるところ”(営業循環図の段階)
この数字が関係しているのかもしれないなぁを事前にみなさんからお聞きしました。

・受付〜見積又は契約までの日数が気になります。(W尾K奈さん)
受付から見積を出すまでが結構長いのが以前は多くて、そこがどちらかというと社長しか出来ていなかったので、最近はちょっと早くなったかなぁと思っているんですけど。お客さんのなかには「待っていたけど、他のところへ頼んじゃった」と言われることもたまにあるので、早く出せていたら請け負えていたかなぁというのがあります。ほかの会社さんとどれくらい差があるのかなぁというのが気になりました。

Q. T己さん、いかがですか。

A.わたしも一緒で、受付から見積までの期間が長かったので、アクセスに見積提出日を作ってもらって、一覧で見れるようになったので早くなって、受注率も上がっていた気がします。(T己さん)

Q. I江さん、いかがですか。

A.受付してすぐに持っていけた場合にはその場でお話が決まったりするので、受注の確率は早ければ早いほど高いのかなぁと思っています。

※今回は、W尾K奈さんの気になるところをもとに話をすすめさせてもらいます。

ほかの方の気になるところ(本日は時間の都合上みんなで話し合いできず、失礼しました)
・受注〜工事までの日数が気になります。(T己さん)
・現調・ヒアリング・プラン見積り
社長が行かないとわからない案件が多いので、進行中案件が多くなっている(I江さん)

Q.受付から見積、契約までの日数なんですけど、具体的にどういうことが影響しているかとか、受付から見積までの過程、日数についてK奈さんのところではどんな感じですか。

A.受付して、小さい工事だったらうちだけで完結するのですぐに見積も作れるんですけど、外注する分は見積依頼をかけるので、けっこうそれを待っていたりとか、それぞれの業者さんが現調にいくのを待ったりとかありますし、規模によって見積までの期間は長いかなぁと、ただ小さい工事なのに長くなってしまっているのもあるかもしれないなぁと。日数についてのルールとかはとくにないです。工事内容で急いであげないといけない場合は早くするし、先でも大丈夫なら先に回したりとか、そのあたりで優先順位をつけています。(W尾K奈さん)

Q.見積依頼ってどんな形でされているんですか?

A.物件によってもバラバラですけど、電話、メール、FAXもあるし、こちらが拾ってできるものであれば、見積を作成して原価を空欄のものを見積依頼で、送るのもあれば、けっこうバラバラではあります。(W尾K奈さん)

Q. T己さんのところは受付から契約までの段階、過程、日数はいかがでしょうか。

A.うちもだいだいK奈さんところと一緒なんですけど、現調に行ってもらって、見積の提出日を先に決めているので、業者さんに「〇〇日までに送ってね」と先に言って、お客さんに見積を出すようにしています。エアコンの工事だったら前の履歴を引っ張ってきたりとか、見積の依頼も業者さんに現調に行ってもらうことが多いので、電話でここの現場行ってほしいねんというのが多いです。見積依頼は、職人さんだったら電話、住宅設備は、請求書が違うのが嫌なので、紙であったり、メールであったりと残すようにしています。請求書がきたときに確認するようにしています。もし、請求書が来たときに違っていたら、これでもらっているのに、なぜ、値段上がっているのと聞くようにしています。逃げられないようにしています(笑)。日数については100万円以内の工事は遅くても1、2週間以内には出したい。大規模なリフォームとか、新築だったら2、3ヵ月先になりますと言っています。

Q. I江さんのところは受付から契約までの段階、過程、日数はいかがでしょうか。

A.そのとき、そのときでバラバラなんですけど、大型工事で業者さんに社長と一緒にこの日に現調に行ってくださいと言って、見積を後日もらったりとか、社長が見て聞いて情報をFAXで送って見積をお願いすることもあったり、業者さんに写真をラインで送って、一ヶ所だけとか、商品を探してほしいというのだけであれば、ラインでやりとりしたりしています。日数は工事の中身によると思いますが、10万円以内ですぐに見にいけたら、一回見に行ってその場で決まることが多いと思います。社長がその場でだいたいこれくらいかかりますと話してOKをもらってあとから金額を電話で伝えて、お客さんから「じゃぁ、お願いします」と言ってもらえます。10万円以上になるとお客さんによります。ちょっとお断りしたいなぁという方には、2週間以上にまたがりますと言ったり、早くいってあげたい方は早く行ったりと社長が調整しながら、金額と案件の内容だけでなく、早くいく人は早くいくし、遅く行く人は遅く行っています。一回目の見積を何日で出すというルールは決めていません。

これから意識してほしいこと

これから意識をしてもらいたいことなんですが、受付から見積までという期間の話をしていましたが、受け付けてから、見積を作成して、提出するまで、自分たちの会社は、その間にどういうプロセス、過程があるのかなぁということを意識するようにしてほしいんです。

書き出してもらっても構わないのですが、そのなかで、どういうことが関わっているのか?ちょっと難しい言葉でいうと“構成要素”という言い方をするのですが、どういうものが“構成要素”になっているのかを見ることができるようになってほしいのです。さきほどからやっている「受付日」から「見積提出日」までの間にどういう“構成要素”が影響を与えているか?!ということなんです。

みなさんのお話を聞いていると、自分のところで見に行ける場合は、「けっこう早いねん」という話でした。ということは、自社に現場へ見に行ける人がいるか、いないかが“構成要素”になるわけです。次に、外注さんに見積依頼をする場合があるので、外注さんというのが“構成要素”になるわけです。また、外注さんにどのように見積依頼するのかというと、FAX、電話、メールという手段を使うということでした。ということは、FAX、電話、メールが“構成要素”になるわけです。それと、誰が見積依頼するかというのも“構成要素”になるわけです。あの人が見積依頼したら返事が早くてスムーズだなぁというのがあれば、その誰がが“構成要素”なります。そのときに、T己さんがやられているように「うちの会社は見積提出の日を決めているので、この日までにほしい(日を指定)」というのも“構成要素”です。過去にもらっている見積を保存したり、記録している、すぐ見れるようにしているということは、相手さんからしたら、あそこの会社さんはしっかりしているから、ええ加減なことはできないなぁというのも“構成要素”なんです。受付から見積を出すまでの間の何が“構成要素”で見積を提出することができるのかというところに、視点、意識を持つようにしてほしいんです。これがめちゃめちゃ大事なんです。これを書き出せたら、3社さんが工事分類番号3: リフォーム11~100万円の見積を出すのが、平均12日間です。うちは10日以内ですとか、うちは14日間かかっているとか、違いが出てきますよね。そのときにどのような“構成要素”がほかの会社さんと違うのかが見えてきますよね。「ああ、そうかK奈さんのところはこのような工夫をしているから早いんだ」とかを共有できますよね。ということは、うちの会社の見積を出す日の目標は、いま14日かかっているけれど、なんとか9日にしたいけど、なにとなにの“構成要素”に手をつけると、9日間に出来るんじゃないかなぁと仮説が立てられます。まずは現状を数字で出して、仲間のこと、過程プロセス、“構成要素”を聞いて目標をつくって、具体的に“構成要素”に手をつけていけると思いませんか。各社さん営業循環図の中身は違うと思いますが、自社の“構成要素”は言えるようにしておいてほしいです。

もし、受付日から見積提出までの日数管理をしたいならば、T己さんのところみたいに、アクセスに見積提出日という項目を追加して、一定の測定期間を設けて、「見積提出日-受付日」で日数が出てきますから、比較して改善できたかどうかがわかります。アクセスのデータベースを使って、人の能力を伸ばすということに使ってもらいたいので、これから“望ましい数字”はいくらですか?とか、この数字がどう変わると嬉しいですか?とか、そういう聞き方をしていくと思います。みんなでそんな“望ましい数字”を作っていきたいと思います。そのために“望ましい数字”には何が関わっているのか、“構成要素”は何なのかという意識を持ってもらいたいなぁと思います。このように営業循環図のなかを数値化して、どのように改善して、みなさんの力を借りて業務を改善すると、粗利益を増やすことになるのはお分かりだと思います。

次回は、みなさんのアクセスから、受付から契約まで何日かかっているのかをこちらで数字を出してみなさんとミーティングしたいと思います。その日数は、どんな“構成要素”が影響を及ぼしているかをお聞きしたいと思います。それに手をつけて改善していくにはどんなことができるだろう?!を考えたいと思います。

感想

“構成要素”の話が自分のなかで面白かって、時間がかかりそうなので今日からさっそく、何があるかを書き出していこうと思いました。(T己さん)

私も“構成要素”のところで、書き出してみたら、自分はまだまだ知識がないからできないけれど、ここなら出来るなぁ、いますぐにでも出来るなぁというところが見つかりそうな感じがしたので、来月までに、何か見つけたいなぁと思いました。(W尾K奈さん)

“構成要素”という言葉は難しいけれど、一個、一個分割して考えていったら、今までなんとなく、感覚みたいなところでやっていたところが、目に見えてくるのかなぁと思いましたので書き出していきたいなぁと思いました。(I江さん)

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