お客さんへ伝えることが変わった

2019年10月11日

    わたしは、ながらく広告に携わっていましたが、途中でモノを売り込むための手法に偏ってきたこともあり、しばらく遠ざかっていましたが、最近、モノ売りからコト売りだとか、お客さんとの関係づくりだと、様子が変わってきたこともあり、作らせてもらようになりました。結果として、売り込みの内容よりも、想いを伝えたり、価値観を共有したりするほうが、お問合せの数が良くなったり、お客さんとの距離感が近くなることがわかりました。

    広告は売り込みだった

    わたしが、学校卒業後、最初にお世話になった会社は、食品の流通業で、そこでは流通段階ごとの、販促と営業を経験することができました。OEMメーカーからメーカーへの段階、メーカーから卸への段階、卸から小売店への段階、小売店から消費者への段階、また、メーカーから消費者への広告販促がありました。それぞれに特徴があり、どうやって販売数量に結びつけるかの知恵がありました。その後、広告代理店に入り、たくさんの広告、販促物をつくりながら、一方で販促コンサルティング会社とも連携し、そこの会社さんが手掛ける国内あらゆる業種のチラシやDMなど販促物の内容とレスポンスデータをまとめ、それをもとに1,000以上のお店の販促物の添削もさせてもらいました。広告とべたべたの販促を経験はまれだったと思います。どちらにしても、広告や販売促進は、お客さんに商品やサービスを売り込むことが目的でおこなわれていました。

    売り込みの変遷

    この半世紀の間、売り込み方も変わり続けてきました。1960年代(昭和40年代)は、市場に商品が少なく、売り手側の視点で売り込んでいました。1970年代(昭和50年代)は、市場に商品があふれはじめ、お客さんが気に入ったものを選びはじめたため、顧客分析からターゲットを選んで売り込んでいました。1980年代以降は、商品機能に差がなくなり、今度は、ネーミングやパッケージ、物語を織り込んで、なんとかお客さんの心を動かして買いたくなるようにして売り込むのが流行りました。

    エスカレートする売り方

    このように、広告や販促の反応を良くするために、ありもしない物語をこしらえて、噓を交えて売れるような仕掛けをするとか、ほんとうは時代の変化に対応して改革していくタイミングなのに、感動の演出が効いて、少し売れたら、まだまだいけるんじゃないかと勘違いしてしまい、業態変革が間に合わないなど、売り方の手法ばかりがエスカレートしていくのが残念でした。

    売り込みの卒業

    ところが、2018年ファンベースマーケティングが現れ、商品やサービスが持つ機能価値やそれを飾り立てる虚構の仕掛けだけでは成り立たず、人から現れる情緒価値や未来価値が企業とお客さんの関係性をながくつなぐものだと広がりはじめています。

    小さな会社に向いている

    想いや価値を伝える、この動きは、大きな会社よりも、小さな会社により向いている思います。そのなかでも、個別、顧客、地域に密着しているご商売を生業にされているところに最適ではないでしょうか。それを実感させてくれたのが、地域密着工務店での通信やチラシづくりの経験でした。地域の工務店さんは、地域やお客さんへの「あり方」を持たれたら、OBさんはその「あり方」を指示し、ファンになって、会社を支えてくれるのがわかったのです。「あり方」を価値に反映させて、丁寧に伝えていく活動が、通信づくりになります。ここにきて、売り込みではなく、価値を伝え(価値の伝播)、関係づくりが真の広告活動だと確信を持っています。ぜひ、あなたの価値を伝えて、価値観の合うお客さんと出会い、関係を深め、安定した経営をおこなってほしいと願っています。

    株式会社ちえじん 代表取締役 星川真一郎
    1965年(昭和40 年)5月9日生まれ 大阪市浪速区出身