一人ひとりが役割を発見し、
持って生まれた能力に気づいて、楽しく働き、楽しく生きよう
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action or later. Please see Debugging in WordPress for more information. (This message was added in version 6.7.0.) in /home/weblogging/chiejin.link/public_html/sys/wp-includes/functions.php on line 6114一人ひとりが役割を発見し、
持って生まれた能力に気づいて、楽しく働き、楽しく生きよう
・再起日本! 前川正雄著 2013年3月22日発行
・世界を変える「場所的経営」 前川正雄著 2010年1月1日発行
・モノづくりの極意、人づくりの哲学 前川正雄著 2004年10月7日発行
生前、福井県永平寺町の澤崎純一郎さんには、ほんとうにいろいろなことを教わりました。“再起日本!”という本は、2016年12月15日に滋賀県でお会いしたときに「この本を読んで、俺にわかりやすく説明してよ」と声をかけてくださったことで出会った本です。もちろん説明など求めておられるのではなく、わたしに理解するようにということです。著者の前川正雄さんは、日本でながく続いている会社は、資本主義ではなく「場所主義」で経営されているとし、人や市場はすべてが共同体になっていて、共同体が主体で、資本はそのなかのツールの一つにすぎないと言われています。また、売上や利益の“量”が自然に出るのは良いけれど、出ない場合に、欲しい売上や利益が出るまでどんどんやっていくと“量”を“量”でカバーすることになり、非常に不自然はことになってくると書いてありました。“量”ではなく“質”が大事だとし、“質”は人からしか出てこないと強く言われています。哲学者の西田幾多郎さん、生態学者の今西錦司さんの考え方をベースにご自身が経営されてきた前川製作所のことが書かれており、非常に興味深く、“場所的経営”にはまり込んでしまいました。西田幾多郎さんの場所論、意味のある偶然の一致(シンクロニシティ)などの考え方。ダーウィンの進化論に異を唱えた今西錦司さんの棲み分けの進化論が、唯一無二、独自の黒字経営につながり、この本をきっかけに、“量子”の世界に興味を持ち始めることになりました。
ちえじん 星川真一郎
●分析と整理
環境の変化が厳しく多様化するなかで、個性化、独自化、棲み分けして生き残り続けることが進化すること。そのために“分析と整理”をおこなう。
◎何を分析するかの「何」は、自分と環境の関係からしか出てこない
・私(自分)とは何か?ほんとうに自分とは何かを問うこと
・我々とは何か?わたしたちの会社とは何かを問うこと
・我々と私の関係は何か?問うこと
◎これらを整理して表現すること
それぞれが、異なった立場をはっきりと認識すること、知ることが大事。
それらの多様性は、
・歴史的(時間的)
・空間的(地理的)
◎どのように推移してきたのかを分析すること
◎環境はどのような特徴を持っているのか
(我々が生きている市場)
・歴史的、地理的進化して独特の特徴を持っている
・環境は、特色を出しながら、関連し、接続し合っている
この違いをそのまま認めて対応していかざるを得ない
・市場はクラスター化(同種の集まり)
関連を持ちながら独立している
▶①クラスター化している市場、環境はどのような変化の状態にあるのか
▶②どのような方向に行こうとしているのか
①②を頭に入れて、私たちが達成しようとしている企業文化に近づくためには、
▶今のわれわれの問題点はいったい何なのかを問うこと
▶これらをきちんと整理、解決すると
近い将来と遠い将来目標が、一つの線に沿ってはっきり見える
引用:モノづくりの極意、人づくりの哲学 P.18
澤崎さんがよく言われていました。
具体的なことがわかるようにしようよ。
▶お客さんの役割をチェック
▶お客さんのやりたいことをチェック
▶お客さんの現状の悩みと未来像をチェック
▶お客さんと環境との関係をチェック
チェックすることで、自動的に働きかけて相互作用から出来事が生じる
●“場所”から世にふたつとない独自のものが生まれる(社会の深いニーズに対応)
・お客さんとメンバーが一緒になって感じていることを伝え合い、合成して答えを出していく。
・前川製作所では感じているものが発生するところのことを“場所”と称している。また、“場所”は西田哲学の“場所”のこと。
・共同体として伝え合おうとする“意図”がなければ、まったく新しいことに対して感じてることの合成は不可能。
・すり合わせを通して全体像をつくり上げ、本質に対しての答えを出していく。
世界を変える「場所的経営」P.105
●“感覚知”は“場所”からしか出てこない
“場所的視点”を通して、チームで新しい世界を拓いていくことにより、創造力を飛躍的に高めていきました。先進国は、大量生産から多品種少量生産へと大変なスピードで変わっていきました。日本の資本財産業が消費財産業の“場”のなかに入り、共にサバイバルを賭けて、両者の“感覚知”を融合しながら新しい“場所”を創造し、共に自らを新しく変え続けてきたのです。“感覚知”は主体であり、すべての生命力の源になっています。“感覚知”は“場所”からしか出てきません。それを持ち寄り、異種情報を持ったチームで合成融合すると実体が見えてくるのです。“論理値”はあくまでサポートの手段なのです。同じことを欧米社会で実現しようとすると、文化的、思想的に激烈な革命になってしまいますし、仮にそうなったとしても実現は難しいでしょう。この点を十分に理解しているのは、日本でもごく一部の産業人だけであるように感じています。“場所的企業活動”を通して、世界市場シェアを持っている企業はこのことをよく理解していると思います。この場合、社員数や売上げは問いません。この条件にあてはまる日本企業は何らかの形で場所性を持っているところが多く、不思議なことに名の通った大企業はほとんど入っていません。しかし、日本の学者、評論家、役人、政治家のほんの少数の人を除いて、これらのことがほとんど理解されていないように思います。
引用:世界を変える「場所的経営」P.105
●新しい市場を切り拓く
市場は本来重層化しており、そこに密接に関わって「生かされている生き物」としての企業が適応を図っていくのです。企業が市場を一体化すれば、自ずから企業は重層的になり、重層的な体質と多様な単位集団を有した共同体になります。重層的にいままで見たこともなかった新しい世界を見る楽しみ、そこで創造的活動をする楽しみ、生き物としての興味はこれに尽きます。顧客(市場)との一体化によって市場を拓く力を「場所的企業力」と呼びます。これが前川製作所の本質的な特徴であり、最大の資産となっています。
引用:モノづくりの極意、人づくりの哲学 P.211